最近テレビなどで『老後破産』『下流老人』などという言葉をよく耳にするようになりましたね。あまり良いイメージの無い言葉ですが、老後破産とは具体的にはどのような状態のことをいうのでしょうか?
老後破産とは?
一世代前までは、年金というものがとても大きな助けになっていました。60才で定年退職しても、年金の額がそれなりに大きかったため、無理に仕事をしなくても普通の生活を送ることは可能でした。
でも、今はどうでしょう。高齢化社会と長引く不況によって受け取れる年金の額はどんどん下がり、定年後に働かずにのんびり暮らしていくという余裕はなくなってきました。
この5年間で病気をしたり、子供への教育費が残っていたりすると、貯蓄していたとしてもどんどん財産が減っていくばかりです。また、住宅ローンの返済が済んでいない場合も貯蓄から支払うしかありません。このように収入が無いのに思いがけず出費が続いてしまうと、老後破産に陥ることにもなりかねないのです。
多くの人が老後破産の予備軍
自分たちは普通のサラリーマン家庭だし、このまま生活していけば老後破産などすることにはならないだろう…そんなふうに思っていたりしませんか?でも、実はそれほど楽観視していられないのが今の世の中なのです。
先ほどお話したような理由で老後破産になってしまう老夫婦は、今やどんどん増えています。そして日本にも老後破産予備軍がたくさんいると言われています。
年金額の縮小、大きな病気、不況の影響を受ける子供への援助など、どれほど気をつけて生活していてもどうしても避けられない事態に見舞われることは多く、老後破産の原因はあらゆる場面に存在するのです。それに加えて、長寿もひとつの原因となりつつあります。
定年後の過ごし方
このように、誰もが老後破産と無縁とは言い難い今の世の中、定年後の過ごし方は想像しているものよりもずっと厳しいものになっているかもしれません。
たとえば60才で定年退職した場合、平均寿命である80才を超える年代まで約20年以上も生活をし続けなければならないのです。これからの日本では定年後、何も仕事をせずに生きていくという過ごし方はなかなかできないのかもしれません。
老後破産などにならないように、若いうちからきちんと先のことを考えて貯蓄に励む必要がありそうですね。