赤ちゃんが4、5ヶ月を迎えると、離乳食が気になる頃ですが、初めてパパママになった大人には、あまり馴染がありませんね。
「離乳食って何?」「大人の食事とは何が違うの?」「赤ちゃんの様子を見て始めるって言われても・・・」など、疑問は尽きません。
これから離乳食を始めるパパママに是非知ってもらいたい、離乳食の役割と開始時期についてご紹介します。
これを機に、一度「食」の大切さを見直してみるのも良いかもしれません。
離乳食とは何か
離乳とは何でしょうか。
離乳は文字通りの意味で、母乳やミルクなどの乳汁栄養から幼児食に移行する過程です。
離乳食はこの離乳の過程に与える食事のことです。
赤ちゃんは生後よりずっと、母乳やミルクから栄養素を摂ってきました。
栄養素は体を動かすエネルギー源になるだけでなく、細胞を新しく生まれ変わらせ、体を大きくします。
生後半年間は乳汁栄養で十分だったのが、成長するにつれて少しずつ食物由来の栄養素を必要としていきます。
つまり、赤ちゃんは成長に応じて、少しずつ食物から栄養を摂らなくてはならないのです。
しかし、まだ赤ちゃんの消化吸収の機能は未熟です。
いきなり大人と同じ食物を与えても、食べることも消化吸収することもできません。
そんな赤ちゃんの為に、食材や調理法を工夫し、段階的に食物を摂取できるように考えられた食事が離乳食です。
ですから、離乳食を始める前に、どんな食材をどのように調理して与えればよいのか、パパママは知っておく必要があります。
栄養補給だけじゃない、離乳食の大切な役割
母乳やミルクを飲んでいる間は、栄養補給だけでなく、哺乳に伴う運動、ママやパパとの触れ合い、そして、ミルクの味や匂い、温度など、様々な刺激を受けます。
これらの刺激は身体だけでなく心も育てています。
是非パパママたちに忘れないで欲しいことは、離乳食も同じだということです。
椅子に座らせて機械的に与えるのではなく、優しく触れ合いながら「おかゆですよ。」「熱くないかな?」「美味しくて幸せね。」など笑顔で話しかけてあげて下さい。
そして上手に食べられた時は沢山褒めてあげてください。
お腹も心もいっぱいにしてあげましょう。
食卓が楽しくて幸せな場所だと思えると、赤ちゃんも食が進むようになりますよ。
最初はひっくり返したり、遊んでしまうことがよく見られます。
そんなときは怒らずに、優しく注意します。
赤ちゃんは、この先どんなことが起こるのかと好奇心を持ってやっています。
それも一つの学びですので、いけないことだと教えつつも、優しく見守ってあげて下さい。
タイミングはいつがいいの?開始時期の見極め方。
では、離乳食を始める時期はいつなのでしょうか。
一般的には5、6ヶ月頃から始めますが、発達には個人差があり、始めるのが早すぎて上手くいかない場合もあります。
一方、慎重になりすぎて遅く始めるのも、栄養面や発達面でオススメできません。
開始時期のタイミングかどうか次の項目をチェックしてみて下さい。
首がすわり、腰を支えていれば体を起こしていられる
パパママの食事に興味を持ち始めた
パパママがモグモグしているのを見て口を動かす素振りをする
スプーンなどを口に入れても、舌で押し出してこない
特に最後は大切なチェック項目になります。
乳首に吸い付き、乳汁を吸い出す動きを哺乳反射といいますが、この反射は成長するにつれて、なくなっていきます。
哺乳反射がまだ強く出ているうちは、スプーンで離乳食を口に入れようとしても、舌で押し出してしまう為、上手に口の中に取り込むことができません。
反射によって上手く食べられないのを、「嫌いだから」とか「食に興味が無い」と解釈しないようにしましょう。
上手く食べられないようであれば、一度離乳食を中断して、しばらく反射がなくなるのを待ってあげましょう。
初期の離乳食の基本~食事回数と材料と分量について~
さて、いよいよ離乳食生活が始まります!
ここでは、初期の離乳食の基本について、とりわけ、食事回数やその内容について説明していきます。
初期は無理に食べさせようとしません、食事が楽しいものだ思ってもらえるよう、明るく楽しい時間にするよう心がけましょう。
離乳食を始める前に準備するもの
離乳食を始める前に、準備するものを確認しておきましょう。
赤ちゃん用の食器一式
主に、コップ、お皿、食べさせる用のスプーンです。
スプーンは平らになっているものが食べさせやすいです。
食器の素材は問いませんが、薬液にも熱湯消毒にも耐えられる素材が便利だと思います。
すりこぎなど食材をすりつぶす道具
すりこぎやこし器、ブレンダーなど、ママが使いやすいものを使って下さい。
離乳食の調理セットに入っている定番グッズですので、迷ったらセットを購入しても良いですね。
離乳食の保存容器
冷凍解凍に耐えられるものを準備します。
製氷器を使っても良いです。
はかり
食材の重さを量るのに必要です。
お食事用のスタイ
大きめにできていて、広い面積をカバーできるものから、プラスチック製の防水タイプのものなど様々な種類が出ています。
スタイを使うことでママの後片付けが楽になります。
嫌がらないようであれば使用をオススメします。
初期の離乳食の回数
最初の1ヶ月は、午前中の授乳・哺乳タイム1回分を、離乳食に置き換えます。
ご機嫌が良く、満腹でも空腹でも無いときがベストタイミングです。
満腹だと当然食は進みませんね。
空腹過ぎても落ち着かず、母乳やミルクへの欲求が強くなっている為、離乳食に集中してくれなくなります。
そろそろお腹が空き始めるかな?という頃にあげましょう。
体調を崩している場合は、本人の食欲に任せ、無理に与えない方が良いです。
与える場合も、いつもより少なめのおかゆだけにするなど、胃腸への負担軽減を意識します。
離乳食に使える材料と分量
離乳食に使える材料は、段階が進むにつれ、次第に種類が増えていきます。
始めたばかりの頃はおかゆやじゃがいも等の根菜のペーストが主になります。
消化に体が慣れ、便通が安定するようになったら、少しずつ他の食材にもチャレンジしていきましょう。
離乳食で共通して注意すべきことの一つに食物アレルギーがあります。
全ての食材にアレルギーの可能性がある為、初めて与えるときはごく少量にし、一口毎に必ず体調の変化を注視します。
大丈夫そうであれば少しずつ量を増やしていきます。
それでは、使える材料と分量についてご紹介します。
<材 料>
穀物 | 米飯、コーンフレーク(無糖) |
芋類 | じゃがいも、さつまいも |
魚介類 | タイ、カレイ、ヒラメ |
豆類 | 豆乳、豆腐、きなこ |
野菜類 | にんじん、かぼちゃ、ピーマン、おくら、ねぎ、大根、タマネギ、きゅうり、レタス、カブ |
<分 量>
米 | 10倍がゆ1さじから |
野菜・果物 | ペースト1さじから |
魚 | すりつぶし、湯でのばしたもの1さじから |
食後の母乳・ミルク | 180~200ml |
初めて作るときに分量を量りますね。
大体、器のどれくらいまで入っているかを覚えておき、次回から目分量にすると量る手間が省けますよ。
食後の母乳やミルクは飲みたがるだけ与えてあげましょう。
初期のあげる時間や量については、こちらの記事で詳しく解説しています。
初期での離乳食をあげる時間のタイミングと量は神経質にならなくてもOK
調理のポイント
初めては10倍がゆから始めます。
10倍がゆについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
固形物を摂取するのは初めてですので、おかゆはポタージュ状にしてあげましょう。
慣れ始めたら、少しずつ濃度を濃くしていきます。
野菜は青臭さやアクの少ないもの、大根やカブなどから始めましょう。
裏ごしして食物繊維を取り除き、味付けしていないものを与えます。
野菜・おかゆを嫌がるときは、こちらの記事で詳しく解説しています。
中期の離乳食の基本~食事回数と材料と分量について~
離乳食にママも赤ちゃんも慣れてきた頃でしょうか。
食に興味がある子もない子も、身体的に成長しているようであれば、中期の離乳食に移行します。
成長段階に見合わない食事内容は、口の機能の発達を十分に促せず、丸飲みする癖の原因になります。
初期の離乳食をあまり食べてくれていない場合も中期に移行する方が良いです。
中期になると、材料の幅が広がり、形状も変わりますので、突然食が進むようになることもあります。
気長に赤ちゃんの好みを探していけるといいですね。
ここからは、中期の離乳食の基本について説明していきます。
中期に進む前に口の発達を確認しましょう
中期に移行する前に、舌を上下に動かせるようになってきたかを確認します。
唇をしっかり閉じて、口角を左右に同時に伸縮していれば、舌が上下しています。
この動きは中期に進む上で大切な動きです。
これまで前後に舌を動かして飲み込むだけでしたが、舌の上下の動きができるようになると、上あごを使って食物を押しつぶせるようになります。
中期の離乳食は柔らかい粒状ですので、移行するにあたって、舌の上下運動ができるかどうかは重要なポイントになります。
こちらの記事でも詳しく解説しています。
初期から中期へステップアップしたい人にオススメの離乳食の進め方
離乳食の回数
初期から移行している時期は、午前・午後の授乳やミルク1回分ずつを、離乳食に置き換えて2回食にします。
完全に中期に移行したら、2回のうち1回はパパママと食卓が囲めたら良いですね。
心理的な面だけでなく、家族と食事の時間を合わせることで、徐々に生活リズムが整っていきます。
家族と食事のリズムが合うと、ママにとっても離乳食の準備が楽になりますね。
使える材料と分量
初期の材料に加えて新たに使える材料を紹介します。
果物が使えるようになりますが、7ヶ月以降にしましょう。
また、調味料も使えるようになりますが、できるだけ素材の味で食べられるようにします。
使う場合はごく少量にし、薄味を心がけます。
<材 料>
穀物 | 米飯、コーンフレーク(無糖)、食パン、うどん |
芋類 | じゃがいも、さつまいも、里芋 |
魚介類 | タイ、カレイ、ヒラメ 、鮭、マグロ、カツオ、しらす干し |
肉類 | 鶏ささみ肉 |
豆類 | 豆乳、豆腐、きなこ、高野豆腐 |
野菜類 | にんじん、かぼちゃ、ピーマン、おくら、ねぎ、大根、タマネギ、きゅうり、レタス、カブ、ほうれん草、ナス、トマト、セロリ、もやし、れんこん |
果実類 | いちご、りんご |
油/調味料 | 油、バター、酢、ケチャップ |
飲み物 | 麦茶 |
<分 量>
~初期から中期への移行期~
*月齢5~6ヶ月(2回食)
米 | 10倍がゆ50gくらいまで |
野菜・果物 | ペースト30gくらいまで |
魚 | すりつぶし、湯でのばしたもの15gくらいまで |
食後の母乳・ミルク | 150~180ml |
~中期~
*月齢7~8ヶ月(2回食)
2回のうち1回は大人と同じ時間にします。
米 | 7倍がゆ50~80g |
野菜・果物 | 20~30g |
魚・肉 | 10~15g |
卵 | 卵黄1個~全卵1/3 |
乳製品 | 50~70g |
食後の母乳・ミルク | 100~150ml |
どちらも食後の母乳やミルクは欲しがるだけ与えましょう!
調理のポイント
初期から中期への移行している時期は、メニューは初期のままにし、固さに変化をつけます。
例えば、おかゆはポタージュ状から少し粒が残るくらいにしたり、芋類のペーストを少し粗くしたりするといった具合です。
おかゆを食べないときの対処法については、こちらの記事をどうぞ!
ベテランママが実践している中期の離乳食でおかゆ食べないときにしている対処法
慣れてきたら、粒の割合を増やし、中期に完全に移行します。
この時の粒の固さは、指で簡単につぶせる位です。
中期の固さや量については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
さて、材料の幅が随分広がりましたね。
アレルギーの心配がありますので、新しい材料に挑戦する時は1日に1種類にし、一度に沢山の種類に挑戦しないようにしましょう。
これは、万が一症状が出た場合、原因の食材を特定しやすくする為です。
味付けをして良い時期とされていますが、なるべく素材の味で食べられると良いです。
味付けをする場合は大人の1/4程度にとどめます。
後期の離乳食の基本~食事回数と食材と分量について~
9ヶ月を迎える頃、体の発達はさらに著しくなってきますね。
お座りが安定してきたり、歯の本数が増えたり、色々なものに興味を持って活発になってきます。
これまでの離乳食は、固形物からの栄養摂取と食べる動作に少しづつ慣れるための食事、ということが主な役割でした。
役割が増えたからといって難しく感じる必要はありませんよ。
いつもの食卓に、大事な家族の一員として赤ちゃんを迎え、「いただきます」や「ごちそうさま」と一緒に挨拶をして、楽しく食事をしましょうということです。
手づかみ食べが始まると、たくさんこぼして汚れますので、しっかり対策してイライラしないようにしましょうね。
さて、後期離乳食の基本について見ていきましょう!
後期の離乳食へ移行する目安
後期の離乳食へ移行する時期はだいたい9ヶ月です。
口腔内は、上下の前歯が生え揃い、奥歯が生える準備に入ります。
早い子ではもう奥歯が生えている子もいます。
この頃、歯茎を使って食べ物をすりつぶせるようになるので、中期 離乳食の粒をしっかりつぶせるようになっています。
丸飲みせずに、モグモグと口を動かせているようなら後期に移行しましょう。
もし、中期離乳食がうまく食べられず、丸飲みしているようなら、モグモグできるようになるまで後期への移行は待ちましょう。
離乳食の回数
離乳食の回数は1日3回に増えます。
中期から移行して1ヶ月ほどは、中期の2回分の間に1回分を組み込みます。
完全に移行し3回食に慣れたら、なるべく家族と同じ時間に離乳食を与えるようにしましょう。
食後の母乳・ミルク量は好きなだけ与えます。
3回に増やしてすぐの頃、離乳食後以外の母乳・ミルクはしっかり飲むのに、食後だと全く飲まないというようであれば、食事量が多すぎるので減らします。
だんだんと食後のミルク量が減っていくのは問題ありません。
後期に移行後しばらくして、拒否するようになってきたら無理して与える必要はありません。
後期 離乳食の使える食材と分量
中期に加えて新たに使える食材を紹介します。
<材 料>
穀物 | 米飯、コーンフレーク(無糖)、食パン、うどん、そうめん、スパゲッティ、ビーフン |
芋類 | じゃがいも、さつまいも、里芋、春雨 |
卵/乳類 | 卵、牛乳、プレーンヨーグルト |
魚介類 | タイ、カレイ、ヒラメ 、鮭、マグロ、カツオ、しらす干し、カキ、ホタテ |
肉類 | 鶏ささみ肉、鶏むね肉、牛肉赤身、鳥豚レバー |
豆類 | 豆乳、豆腐、きなこ、高野豆腐、大豆(水煮)、納豆、小豆 |
野菜類 | にんじん、かぼちゃ、ピーマン、おくら、ねぎ、大根、タマネギ、きゅうり、レタス、カブ、ほうれん草、ナス、トマト、セロリ、もやし、れんこん、ごぼう、たけのこ |
海藻類 | ひじき、塩ワカメ、とろろ昆布、焼き海苔 |
キノコ類 | キノコ全般 |
果実類 | いちご、りんご、バナナ、みかん、桃、キウイ、メロン、マンゴー、パパイア |
油/調味料 | 油、バター、酢、ケチャップ |
飲み物 | 麦茶、無糖ココア |
<分 量>
この頃、赤ちゃんの栄養補給の半分が離乳食からになりますが、中期から急激に量を増やすと、消化不良や便秘の原因になります。
毎日の排便のリズムや量、質などを、よく観察して少しずつ離乳食の量を増やしてあげると良いですね。
米 | 5倍がゆ~軟飯80~90g |
野菜・果物 | 30~40g |
魚・肉 | 15g |
卵 | 全卵1/2 |
乳製品 | 80g |
食後の母乳・ミルク | 50~100ml |
調理のポイント
後期へ移行し始めて約1ヶ月は、固さはそのままで粒の大きさを少し大きめにしてみましょう。
ほぐしたりつぶしたりするのは卒業できると良いですね。
粒だけでは食べにくいようであれば、とろみをつけたり、スープやだし、白湯で湿らすと食べやすくなります。
慣れてきたら、粒の固さを、指で挟んで少し力を入れてつぶせる位にします。
10ヶ月を過ぎる頃、手でつかんでみたいという欲求が出始めます。
つかみやすい形状にして手づかみ食べを応援してあげましょう。
手づかみの食材については こちらの記事にまとめてあります。
【離乳食の後期】忙しい朝にパパッと簡単、パンを使った朝ごはん
注意したい食材
卵や牛乳、果物を与えても良い頃になりました。
これらは食物アレルギーを起こしやすい食品です。
与える際は少しずつ様子を見ながら与えましょう。
卵は固ゆでの卵黄のみから始め、様子を見て卵白を少しずつ与えます。
生の卵白がアレルギーを引き起こしやすいので、必ず加熱した卵黄から始めます。
離乳食での卵のあげ方と量については、こちらの記事にまとめました。
離乳食で卵にチャレンジしたい人にオススメのあげ方と量のポイント
牛乳は飲用は1歳以降です。
シチューやパンケーキの材料に使って少しずつ様子を見ましょう。
どうしても飲ませたい場合、濃すぎるので水で薄めます。
果物の中でも南国系のものは、アレルギーの原因になる可能性がありますので、様子を見ながら与えてください。
ビタミンやミネラル、食物繊維の宝庫ですが、糖分も高いので食べさせ過ぎには注意します。
完了期の離乳食の基本~食事回数と食材と分量について~
離乳食も仕上げの時期に入ってきましたね。
完了期になると、多くの食材を食べられるようになり、パパママ用のお料理から取り分けができるようになります。
基本の味付けはごく薄味にし、別添えのタレやソースと取り分け用の菜箸を用意すれば、大皿料理から取り分けられ、ママも楽ですし赤ちゃんも喜びますよ。
奥歯が生えますので、食後の歯ブラシは忘れないようにしてくださいね。
それでは完了期の基本事項について見ていきたいと思います。
完了期の離乳食へ移行する目安
1歳になる頃、しっかりモグモグごっくんができるようになっていたら完了期へ移行します。
完了期になるとおやつが加わりますが、最初は欲しがるまであげなくても大丈夫です。
この頃は、まだハイハイの子もいれば、くつを履いてお外で歩ける子もいて、赤ちゃんによって消費エネルギーが大きく異なります。
おやつの有無も離乳食の分量も生活の変化に応じて加減してくださいね。
そろそろスプーンやフォークを持たせてみましょう!
つかみ食べが上手になってきたら、赤ちゃん専用のスプーンやフォークを用意してあげてください。
ママやパパが食事をしている姿や食べさせてくれる姿を赤ちゃんはずっと見てきましたね。
きっと自然に使ってみようとしますよ。
最初は柄をぎゅっと握るように持ちますが、発達上まだ正しくは持てませんので、見守ってあげましょう。
食事回数とおやつについて
1日3回の離乳食に加え、2回のおやつが加わり、食事回数は5回になります。
おやつと聞くと、なんとなく厳しくしたほうが良いのかな、と思うママもいらっしゃるでしょう。
まだ体が小さく一度に多くの量を食べることができないので、おやつは赤ちゃんにとって大切なエネルギー補給の時間です。
栄養バランスの良いおやつを用意してあげましょう。
【おすすめのおやつ】
・パンケーキ
・蒸しパン
・おにぎり
・果物
用意するのが大変な時は、無理せず市販のベビー用おやつを利用してくださいね。
朝食と昼食の間の10時頃、昼食と夕食の間の15時頃の合計2回、おやつの時間を作ります。
むし歯予防、肥満予防のためにも時間を決めて与え、ダラダラ食べ続けることのないようにします。
使える食材と分量
中期に加えて新たに使える食材を紹介します。
<材 料>
穀物 | 米飯、コーンフレーク(無糖)、食パン、うどん、そうめん、スパゲッティ、ビーフン、中華麺 |
芋類 | じゃがいも、さつまいも、里芋、春雨 |
卵/乳類 | 卵、牛乳、プレーンヨーグルト、プロセスチーズ、カッテージチーズ |
魚介類 | タイ、カレイ、ヒラメ 、鮭、マグロ、カツオ、しらす干し、カキ、ホタテ、アジ、イワシ、サンマ、サバ、アサリ、ツナ缶、ホタテ水煮 |
肉類 | 鶏ささみ肉、鶏むね肉、牛肉赤身、鳥豚レバー、豚肉赤身、牛豚合挽き肉 |
豆類 | 豆乳、豆腐、きなこ、高野豆腐、大豆(水煮)、納豆、小豆 |
野菜類 | にんじん、かぼちゃ、ピーマン、おくら、ねぎ、大根、タマネギ、きゅうり、レタス、カブ、ほうれん草、ナス、トマト、セロリ、もやし、れんこん、ごぼう、たけのこ |
海藻類 | ひじき、塩ワカメ、とろろ昆布、焼き海苔 |
キノコ類 | キノコ全般 |
果実類 | いちご、りんご、バナナ、みかん、桃、キウイ、メロン、マンゴー、パパイア |
果実加工品 | 梅干し |
油/調味料 | 油、バター、酢、ケチャップ、めんつゆ、黒砂糖、ハチミツ |
飲み物 | 麦茶、無糖ココア、緑茶、ほうじ茶、番茶 |
<分 量>
離乳食からの栄養補給でほとんどすべてが、まかなえるようになります。
食後の母乳・ミルクは無理に飲ませる必要はありません。
また、そろそろ牛乳に切り替え始めても良いです。
3食大人と一緒に食べられるよう心がけます。
米 | 軟飯~ごはん80~90g |
野菜・果物 | 40~50g |
魚・肉 | 15~20g |
卵 | 全卵1/2~2/3 |
乳製品 | 100g |
調理のポイント
乳歯が全て生えそろうまでの間、歯茎が締まり、一層歯茎でつぶすのが上手になってきます。
また、手づかみ食べも上手になり、かじり取ることもできるようになります。
食材の固さはこれまでと同じからやや固めにし、大きさはかじり取れる大きさにします。
献立の中に手づかみしやすい1品を入れてあげると良いですね。
調理法は7ヶ月頃と同じです。
揚げ物など油分の多い調理法や生ものは与えません。
味付けは薄味を心がけます。
注意したい食材
1歳を過ぎたらハチミツが使えるようになります。
ハチミツ中に含まれることの多いボツリヌス菌によって、中毒を起こす可能性があるため、1歳未満には与えられませんでしたね。
1歳を過ぎたけれどやっぱり不安だというママは、十分な加熱で殺菌したり、ボツリヌス菌の混入率が低い国産製品がオススメです。
青魚も食べられるようになります。
特にサバはアレルギーを引き起こす可能性があるので注意して与えてください。
体調が良くない時の離乳食メニュー
赤ちゃんの体調が良くない時、どんな離乳食を与えていいのか悩みますね。
受診して医師の指示に従うのが基本ですが、消化の良いものを与えてくださいと言われると、自信がなくなってしまうママも少なくないと思います。
赤ちゃんの症状によくある、熱・咳・嘔吐の3症状に分けて、それぞれに適したメニューをご紹介します。
発熱している時のメニュー
熱が出ると赤ちゃんはいつもより発汗します。
鼻水や下痢を伴っているなど、他の症状もある時はさらに水分が奪われ脱水状態になりやすいです。
こまめに水分補給を行いましょう。
胃腸の消化吸収機能が弱っているので、
・消化がいいもの
・栄養バランスのとれたメニューがオススメです。
食欲があっても、量を普段より減らして胃腸を休めるようにします。
*食材*
米、パン、かぼちゃ、ニンジン、ブロッコリー、小松菜、牛乳、白身魚
*メニュー*
①野菜スープ、白身魚のおかゆ
<野菜スープ>
緑黄色野菜を和風だしや洋風だしでやわらかく煮ます。
カボチャやニンジンは普段よりも小さくして食べやすくします。
ポータージュにしても良いです。
食物繊維が多すぎると負担になるので、具材は少なめにしましょう。
<白身魚のおかゆ>
普段より柔らかいおかゆに、白身魚をほぐしたものを加えます。
カレイやタイがオススメです。
魚は新鮮なものを用意し、湯通しもしくは焼いてからほぐします。

②野菜のミルク煮、パン粥
<野菜のミルク煮>
カボチャやニンジン、ジャガイモを普段より小さく刻み、洋風だしでやわらかく煮ます。
火が通ったら牛乳を適量加え煮立たせます。
牛乳アレルギーがある場合は豆乳でも良いです。
<パン粥>
食パンの白い部分を適度な大きさにちぎり、白湯でとろとろに煮ます。
味が足りなくて食べない場合は、野菜のミルク煮をかけたり、少量の洋風だしを加えます。
咳をしている時のメニュー
咳が続くと大人でも辛いですね。
ひどく咳き込むことで嘔吐してしまったり、長引く咳で喉を痛めることがあります。
水分補給をこまめに行って、食事は喉ごしの良いものにしてあげましょう。
喉ごしを良くする方法には、
・片栗粉でとろみをつける
・食材をいつもよりやわらかく煮る
・月齢によってはペースト状にする
喉の粘膜を刺激するような香辛料、カレー粉、ソースはやめます。
「アイスクリームなどで冷やしたほうが良いのかな?」と考えがちですが、それよりもスープで喉を温める方が気管支が広がるため呼吸が楽になります。
*食材*
米、パン、大根、里芋、カブ、ジャガイモ
*メニュー*
①みぞれがゆ、ジャガイモと白身魚のとろとろ煮
<みぞれがゆ>
おかゆに大根おろしを加えます。
大根おろしは汁も使いましょう。
お好みでしらすや納豆を加えても美味しいです。
<ジャガイモと白身魚のとろとろ煮>
白身魚はさっと湯通しし、ほぐしておきます。
ジャガイモを和風だしで煮た後、ほぐした白身魚を加えます。
片栗粉で適度なとろみをつけて完成です。

②野菜のパンがゆ、ささみと里芋の和え物
<野菜のパンがゆ>
カブとブロッコリーをやわらかく煮てから、豆乳もしくは牛乳を適量加えます。
野菜を潰し、小さく刻んだパンを加えて一煮立ちさせます。
<ささみと里芋の和え物>
ささみを茹で、小さく刻みます。
一口大の里芋を和風だし、少量の醤油、砂糖でやわらかく煮ます。
ささみと里芋をボウルに移して、よく和えます。
里芋の粘りがしっかり絡むよう、よく混ぜ合わせて完成です。
嘔吐しているときには、医師の指示に従いましょう
嘔吐の場合、月齢や体力、原因となっている病気によっては、入院治療になることがあります。
パパママが判断しないで、早めに小児科を受診し、医師の指示に従いましょう。
入院ではなく、お家で療養する場合は食事について指導してもらえます。
食事について医師から お話がない場合は、パパママから遠慮せずに質問しましょう。
体調が回復し始めたら、野菜スープなどを少量ずつ食べさせてあげましょう。
大人と赤ちゃんでは全然違う?おやつの役割とメニューの決め方
ママの皆さんはおやつ好きですか?
食べない日もあるという方もいらっしゃれば、毎日欠かせませんという方もいらっしゃると思います。
大人の感覚ではあってもなくても良いようなイメージですが、1歳を迎える頃の赤ちゃんにとって、おやつは補食と言われ大切な食事の1つです。
離乳食の一環と思って、毎日あげてくださいね。
さて、おやつと聞くとジュースやケーキ、チョコレート、スナック菓子などを想像しがちですが、赤ちゃんにはどれも不向きですよね。
一体どのようなおやつを選べば良いのでしょう?
補食の役割やメニューの決め方について考えてみます。
赤ちゃんのおやつ=補食の役割
1歳児の場合、推奨される1日の栄養摂取量は大人の約半分にもなります。
しかし、1回の食事で大人の半分量を食べられる赤ちゃんは少ないですよね。
消化器系の発達度合いから見ても、一度に消化吸収するのは難しい量です。
そこで頼りになるのが「おやつ」!
おやつが補食と言われる理由は、3回の食事だけでは摂りきれない栄養素を補うための食事だからなのです。
そのため、内容にも気を配る必要があります。
大人が想像する、小腹を少し満たすようなおやつではなく、栄養バランスの良いおやつを与えるのが理想です。
おやつのメニューは他の食事内容を考慮して決める!
メニューの決め方は悩みますね。
基本は主菜と副菜の組み合わせです。
栄養素を補う役割のおやつですから、朝昼夕の3食とは違う食材を取り入れると良いですね。
例えば、パンやうどんなどの小麦素材を使った主食を食べさせているのなら、おにぎりやイモ類にしたり、
副菜で野菜の食べが悪い時は、蒸しパンに練り込んだりするといった具合です。
もちろん、手作りを用意するのが難しい時は、無理せず市販のものを利用しましょう!
冷凍保存ができるおやきやパンケーキをストックしておくのも良いですね。
おやつの栄養満点オススメメニュー
*おやき・おにぎり*
おやき・おにぎりはつかみ食べがしやすく、粘りがあるのでかじり取るのも容易なため、赤ちゃんにオススメなおやつの代表です。
具材もほとんどの食材と相性が良いため、ママも気軽に作ることができます。
納豆やしらす、ひじき、わかめなど、おかずでは食べられなくても、混ぜ込んでおやきやおにぎりにすれば食べられるという赤ちゃんも多いです。
*フルーツヨーグルト*
バナナやリンゴなど好きなフルーツをプレーンヨーグルトに和えるだけなのでママも楽ちんです。
お手伝いをしたがるようなら、バナナの皮をむいたり、ヨーグルトと和えたり、簡単な作業を任せてみましょう。
*サンドイッチ*
ツナやゆで卵を粗く潰したもの、チーズ、ゆでたささみをほぐしたものなど、たんぱく質が豊富な具材がオススメです。
一緒に具材を挟むと、食べる以外にも作る楽しさが体験でき、食育に良いですよ。
*蒸しパン・パンケーキ*
人参やほうれん草、コーンなどのペーストを混ぜると野菜を補給できます。
無糖ココアを加えるとより一層食べやすくなります。
アレルギーが心配な卵のオススメ導入方法
離乳食を進めていく上で、気がかりなことの一つにアレルギーがありますね。
特に卵は小児科や行政の離乳食指導でも、個別に説明をしている場合があります。
食品アレルギーは誰でもなり得るため、離乳食で卵を与えるときは慎重に進めていった方が良いです。
では、実際どのように離乳食で導入していけばよいのでしょう。
離乳食で卵にチャレンジしたい人にオススメのあげ方と量のポイント
原因が分かり始めている卵アレルギー
ヒトのアレルギー発症機序はわかっていない部分も多いのですが、卵アレルギーを引き起こす原因のほとんどが卵白に含まれるたんぱく質だということが分かっています。
そして、生の卵白よりは加熱した卵白の方がアレルギーを引き起こしにくいということも分かっています。
これは、たんぱく質が加熱によって性質が変化するためです。
離乳食で卵を導入する際、かた茹での卵黄から始まり、そこに少しずつかた茹での卵白を加えていくのは、アレルギーのリスクを低減させるためです。
では実際、アレルギー反応が起こるとどうなるのでしょうか。
症状は卵に対する感受性の差により、個人差が大きく、また日々の体調によっても変わります。
一般的には、
①食後唇や口の周りに蕁麻疹が出る。そして時間経過とともに徐々にお腹などにも広がる
②嘔吐や下痢を引き起こす
③喘息などの呼吸器系の症状が出る
以上のような症状が現れます。
軽度な場合、気づかないこともあるので、日頃の体調と少し違うと感じたり、赤ちゃんの機嫌が良くないようなら、卵アレルギーを疑って小児科に相談しましょう。
卵の導入方法
先述のように、固ゆで卵の卵黄から少しずつ与えていくという方法でももちろん構いませんが、残ったゆで卵の処理に困りますし、少量の離乳食のために毎回1つの卵を使うのも勿体無い気がしますね。
そこでオススメしたいのが、つなぎやスープなどで卵を使うといった方法です。
パパママが卵を食べる時、卵を単体で食べるよりも他の食材と混ざった状態で食べることの方が多いのではないでしょうか。
ハンバーグや揚げ物、お菓子など、卵を使う料理は意外と多いものです。
そして、これらの品を1人前食べる時、卵の量は1個分よりも少ないですね。
離乳食でも卵を他の料理に加えて使うことは、作り置きもできるし、加熱不十分を避けて1さじをごく少量にすることができるので、ママにもお財布にも優しい方法です。
オススメのメニュー例
*肉団子*
鶏むねのひき肉300~400gに、卵黄1つを加えよくこねます。
肉に粘りが出たら、細かくみじん切りした玉ねぎなどお好みの野菜を加え、よくこねます。
ポイント!
この時、水切りした絹ごし豆腐60~80gを加えると、食感がふわふわと柔らかくなります。
大豆アレルギーがある場合、ひき肉を300gと少なめにすることで柔らかい食感に仕上がります。
柔らかすぎてまとまりにくいようなら、適宜パン粉や片栗粉を加え固さを調節します。
ここで離乳食用と大人用に分けて、大人用の方に残った卵白を加えて調理すれば、卵を無駄にすることなく使えます。
一口大に丸めて形成したら、お湯で茹で、茹であがったらしっかり水を切ります。
トマトスープや和風あん、野菜スープなどに加えて出来上がりです。
冷凍保存がききます。
肉団子1つ分に含まれる卵の量はとても少ないですが、与えるときは1さじずつ様子を見て与えてくださいね。
また、卵黄が大丈夫そうであれば、つなぎに全卵使って構いません。

*卵とじうどん*
うどん用のつゆに、人参、椎茸などお好みの具材を入れ一煮立ちさせます。
お椀で卵黄もしくは全卵をしっかりといて、先ほどのお鍋に流し入れます。
優しくかき回しながら火をいれ、卵が固まったら完成です。
卵の量は最後のとり分け時に調節するか、卵をとくときに水を加えて薄めることで調節できます。
例えば、水で2倍の量に薄めるととても柔らかい食感の卵になります。
卵黄しか使わない場合、卵白は大人用を調理する際に使っても良いですし、
あらかじめうどんのつゆを適量とっておき、つゆと卵白、余った卵黄を合わせて出し巻き卵にしても美味しくいただけますよ。
意外と知らないかも?食物アレルギーの原因食材
食物アレルギーは原因となる食材が多岐にわたるのをご存知でしょうか。
卵や小麦、乳製品以外にも、離乳食でよく使われる食材が原因食材になっていることがあります。
ママが調理する場合、アレルギーに注意し、初めての食材を与えるときは、少量ずつ調子を見ながら与えますね。
市販のベビーフードやお菓子、加工食材の原材料にも目を光らせていますか?
そして原材料の何に気をつけたらよいかご存知でしょうか?
今回は離乳食に使いがちな食材で、アレルギーの原因となる食材とそれらを使った加工品を中心に紹介します。
三大アレルゲンは鶏卵・乳製品・小麦
全年齢での原因食材は、鶏卵・乳製品・小麦が全体の約6割を占めます。
この3つは3大アレルゲンと言って、食物アレルギーの原因になりやすい食材の代表です。
詳しく知らないというパパママも、聞いたことがあるかもしれません。
市販の離乳食やベビー向けお菓子、レストランなどでは、必ずと言っていいほど使用している・していないが表記がされています。
もし、アレルギーを発症した場合は、これらの表示に注意して、摂取しないようにし、症状を繰り返さないことが大切です。
では次に3大アレルゲンの他にどんなアレルゲンがあるのでしょうか。
三大アレルゲン以外の11種類のアレルゲン
全年齢での原因食材で、順位の高い順に並べてみます。
4位 甲殻類
5位 果物類
6位 そば
7位 魚類
8位 ピーナッツ
9位 魚卵
10位 大豆
11位 木の実類
12位 肉類
13位 野菜類
14位 軟体類
この中で離乳食でよく使うのが、果物、魚類、大豆、肉類、野菜類です。
つまり離乳食で用いるほとんどの食材がアレルゲンになり得るということがわかります。
ですから、どんな食材であっても、初めて与えるときは、一さじずつ様子を見ながら与える必要があるのです。
また、初めて与える食材2つ以上を1回の食事で同時に出さないようにと指導されることがあります。
これは万が一アレルギー反応が出た時に、原因食材を特定しやすくするためです。
どこまで除去すればよいかは専門医の指示に従う
さて、食物アレルギーが疑われたら、どうしたらよいのでしょうか。
正解はかかりつけの小児科医に相談することです。
アレルギーの重症度によって、アレルゲンを完全に除去しなければならない場合から、少量なら与えてもいい場合まで、対処法は様々です。
パパママが本やネットの知識だけで正しく判断することはできません。
必ず専門医と相談し、食事の工夫について教えてもらいましょう。
便利な加工食品にはご注意!意外なアレルゲンが含まれていることも
加工食品を上手に利用した離乳食メニューがたくさんありますね。
でも、きちんと原材料を確認しないと知らないうちにアレルゲン食材を摂取していることにもなりかねません。
ラクして時短&節約!取り分け離乳食のススメ
栄養バランスやお財布の中身と相談して、毎食の献立を考えるのは大変ですよね。
大人用に加えて離乳食もありますので、お世話や家事で忙しいママは、料理をどうにかして簡単にしたいのではないでしょうか。
そんな時にオススメなのは、取り分け離乳食。
よく育児書や離乳食本にも掲載されていますね。
取り分けスタイルをうまく取り入れることで、時短だけでなく、節約にもつながり、ラクもできます。
難しく思われがちですが、料理が得意でないママからこだわりの本格派ママまで、誰でも簡単にできますよ。
ぜひコツをつかんで取り入れてみてください!
ラクなのにこんなに素晴らしい!取り分け離乳食
離乳食を始める上で悩みの種になりがちなのは、
① 赤ちゃん専用のメニューを考えなければならない
② 大人とメニューが異なるので調理時間・手間が増える
③ 少量の離乳食のために食材を買うことがあり、余ることもある
以上の3つではないでしょうか。
大人用のメニューの一部を工夫して離乳食にする取り分けスタイルは、これら3つの悩みを一気に解消することができます。
また、ラクになるだけでなく、調理過程が途中まで同じなので、時短にもなりますし、光熱費を節約できます。
さらに、家族と同じものを美味しく食べることができるため、食育としても非常に良いことです。
「パパママと一緒のニンジンさんだね!美味しいな~」
「すごいね!お兄ちゃんと同じお魚さんが食べられたよ!」
など、食事内容に積極的に触れた声かけをして、楽しい食事を心がけたいものです。
事前の準備はオリジナルの変化パターンを作っておくこと
いざ調理に取り掛かる前に、しておいていただきたい準備があります。
それは、大人用メニューからどうやって離乳食変化させるのかをパターン化しておくことです。
このパターンの基本は主に2種類です。
大人用の味付けをする前に、離乳食分の具材や煮汁を取り分けてから、それぞれ味を調える。
離乳食用に調理し、味付けした後、大人用を取り分け味をたす。
これらをうまく使ってパターン表を作り、冷蔵庫に貼っておくと便利です。
次よりパターン化の例をご紹介します。
離乳食 前期5・6か月
*汁物(味噌汁や豚汁、お吸い物)
具材は大人用の大きさに切る。
だし汁で煮た後、味付けする前に、食べられる具材と汁を取り分け、潰してペースト状にする。
*煮物(筑前煮や肉じゃが)
具材は大人用の大きさに切る。
一部を耐熱皿に入れ、レンジで加熱し、ペースト状にする。
*シチュー・カレー・ポトフ
具材は大人用の大きさに切る。
一部を耐熱皿に入れ、レンジで加熱し、ペースト状にする。
調乳済みのミルクを加えても良い。
*スープ
ジャガイモとタマネギ、もしくはニンジンとタマネギを煮る。
火が通ったところでミキサーにかけてスープにする。
離乳食用に取り分けたら、大人用にコンソメ・ローリエ・塩コショウ・生クリームなどで味を調える。
こちらの記事も参考にどうぞ!
初期の食材『バナナ・りんご・にんじん』マンネリ離乳食から脱出
離乳食 中期7・8か月
*汁物(味噌汁や豚汁、お吸い物)
具材は大人用の大きさに切る。
だし汁で煮た後、味付けする前に、食べられる具材と汁を取り分け、粒が残るくらいの粗めのペースト状にする。
味に飽きてきたら、味噌を4分の1位溶いてから取り分ける。
*煮物(筑前煮や肉じゃが)
具材は大人用の大きさに切る。
一部を耐熱皿に入れ、レンジで加熱し、粗めのペースト状にする。
*焼き魚・刺身
焼き魚はタイ・ヒラメ・カレイ・サケであれば与えて良い。
塩をふらずに焼く。
食卓で大人が箸をつける前に少し身をほぐして与える。
大人は大根おろしやポン酢、醤油、塩、柚子こしょうなどを別添えする。
刺身はマグロ・カツオ・タイ・ヒラメ・カレイであれば、刺身1切れを茹でてほぐして与える。
*肉料理
ささみを大人用のメニューで使うときは、切った後、一部を茹でて刻みほぐして与える。
*シチュー・カレー・ポトフ
具材は大人用の大きさに切る。
一部を耐熱皿に入れ、レンジで加熱し、粗めペースト状にする。
調乳済みのミルクの他に、アレルギーがなければ豆乳を加えても良い。
*スープ
ジャガイモとタマネギ、もしくはニンジンとタマネギを煮る。
火が通ったところでミキサーにかけてスープにする。
離乳食用に取り分けたら、大人用にコンソメ・ローリエ・塩コショウ・生クリームなどで味を調える。
離乳食 後期9~11か月
*汁物(味噌汁や豚汁、お吸い物)
具材は大人用の大きさに切る。
だし汁で煮た後、味噌を4分の1位溶いてから、食べられる具材と汁を取り分ける。
粒が残るくらい粗めに潰すか、フォークなどで小さく刻む。
*煮物(筑前煮や肉じゃが)
具材は大人用の大きさに切る。
具材を一煮立ちさせ、味付けする前に具材を取り分け、食べやすく潰す。
味に変化が欲しいときは、食べる直前に大人用の煮汁をごく少量取り、白湯で3~4倍に薄めてふりかける。
*焼き魚・刺身
焼き魚はタイ・ヒラメ・カレイ・スズキ・サワラ・サケにする。
塩をふらずに焼く。
食卓で大人が箸をつける前に少し身をほぐして与える。
大人は大根おろしやポン酢、醤油、塩、柚子こしょうなどを別添えする。
刺身はマグロ・カツオ・タイ・ヒラメ・カレイであれば、刺身2~3切れを茹でてほぐして与える。
*肉料理
ささみ・鶏むね肉を大人用のメニューで使うときは、切った後、一部を茹でて刻みほぐして与える。
*シチュー・カレー・ポトフ
具材は大人用の大きさに切る。
鶏むね肉であれば与えられる。
具材を一煮立ちさせ、味付けする前に具材を取り分け、食べやすく潰す。
調乳済みのミルクの他に、アレルギーがなければ豆乳を加えても良い。
*スープ
ジャガイモとタマネギ、もしくはニンジンとタマネギを煮る。
火が通ったところでミキサーにかけてスープにする。
好みで豆乳を入れてクリーム仕立てにしても良い。
離乳食用に取り分けたら、大人用にコンソメ・ローリエ・塩コショウ・生クリームなどで味を調える。
【離乳食の後期】忙しい朝にパパッと簡単、パンを使った朝ごはん
離乳食 完了期1歳~1歳6か月
*汁物(味噌汁や豚汁、お吸い物)
具材は大人用の大きさに切る。
だし汁で煮た後、味噌を3分の1位溶いてから、食べられる具材と汁を取り分ける。
お吸い物の場合は調味料を3分の1加えてから取り分ける。
スプーンやフォークを使ってお椀の中で小さく切る。
*煮物(筑前煮や肉じゃが)
具材は大人用の大きさに切る。
具材を一煮立ちさせ、使う予定の調味料を4分の1から3分の1加えて少し煮る。
調味料が馴染んだら具材を取り分け、スプーンやフォークを使って皿の上で小さく切る。
残りの調味料を加えて大人用に味を調える。
*焼き魚・刺身
焼き魚はタイ・ヒラメ・カレイ・スズキ・サワラ・サケにする。
青魚はアレルギーに気をつけながら与える。
塩をふらずに焼く。
食卓で大人が箸をつける前に少し身をほぐして与える。
大人は大根おろしやポン酢、醤油、塩、柚子こしょうなどを別添えする。
刺身はマグロ・カツオ・タイ・ヒラメ・カレイであれば、刺身3~4切れを茹でてほぐして与える。
*肉料理
肉を大人用のメニューで使うときはなるべく赤身にする。
離乳食用には下味をつけずに調理する。
揚げ物をするときは、離乳食用の肉だけ焼いたり、煮たりする。
*シチュー・カレー・ポトフ
具材は大人用の大きさに切る。
肉は小さめに刻み、よく煮込んで柔らかくする。
具材を一煮立ちさせ、離乳食用に味付けする。
野菜は食べる直前で小さくする。
取り分けしたら、大人用に味付けする。
ちゃんと選んでいますか?ベビーフードの選び方と有効活用
毎日の離乳食作り大変ですよね。
たまにはお休みしていますか?
真面目なママほどうまく手を抜けないかもしれませんが、ママが休んだ分笑顔が増えるなら、赤ちゃんにとってそれほどハッピーなことはありません。
手抜き=大切にしていない、というわけではありませんので大変な時はラクしてくださいね。
さて、離乳食をお休みしたい時に、市販のベビーフードを使うことが多いと思います。
ベビーフードは様々な種類があり、保存もきくため置き換えるのにとても便利ですよね。
いつもどのように選んでいますか?
今回はベビーフードのメリットとデメリットを知って、選び方と有効活用する方法を考えてみます。
市販のベビーフードのメリット、そしてデメリット
ベビーフードの最大のメリットは簡単・便利であることです。
例えば、開けてそのまま食べさせられるもの、お湯を注ぐだけで良いもの、電子レンジ調理できるものなど、様々な種類がありますが、いずれもとても簡単ですね。
衛生面でも、家庭ではなかなか再現できない高水準の安全性を保っていて、長期保存ができます。
そのため、買い置きとしてだけでなく、梅雨時や夏のお出かけ用のお弁当や、災害時に備えた非常食にもピッタリです。
また、大人のレトルト食品とは異なり、栄養バランスが重視されつつ、食が進みやすいように工夫がなされているので、ママは安心してベビーフードを利用することができます。
さて、こんなに優秀なベビーフードにあるデメリットとはどんなことでしょうか?
それは赤ちゃんにとって適切なものを選びにくいということです。
分かりやすいパッケージは、一目ですぐに「大丈夫!うちの子に食べさせられる。」と決めさせてくれます。
でも本当にそれで良いのでしょうか。
何を見て良いと判断し、購入を決めるべきなのでしょう。
選ぶときはどこを見てる?パッケージの見方
パッケージの表には主に、下記のことが書かれていますね。
①対象月齢
②メニュー
③形状
購入するとき、①対象年齢をまず確認していると思います。
対象年齢に当てはまっていたら大丈夫と決めていませんか?
パッケージ上の対象年齢はあくまで、平均的な身体の発達度合いを示しています。
例えば、まだきちんとモグモグすることに慣れない8ヶ月の赤ちゃんに、8ヶ月相当の離乳食を与えると、モグモグするのが難しく、丸飲みになってしまいます。
食を促すために少量の味付けもなされているので、赤ちゃんの食は進みやすくなるのですが、そのことが丸飲みを助長することにも繋がりかねません。
この赤ちゃんの場合は、6・7か月相当の離乳食を与えるのがより好ましいのです。
製品の中には、③形状と合わせて、離乳食の進度が分かりやすいように書かれているものもあります。
選ぶときは、赤ちゃんの離乳食の進み度合いとベビーフードの内容が合っているのかよく考えましょう!
さらにこれに合わせてオススメしたいのは、裏側の原材料の確認です。
例えば、アレルギー対応商品の場合、なんとなく安心してしまって、どんな食材が入っているのかきちんと分かっていないまま与えていることがあります。
でも、以前アレルギーの話でお伝えしたように、あらゆる食材にアレルギーを引き起こす可能性があります。
また、アレルギーがないとしても、慣れない食べ合わせや調理法にお腹がついていけず、消化不良を起こすこともあります。
アレルギー対応商品だからといって、内容を確認せずに安心して与えるのは良くありません。
必ず裏側の原材料を見て、初めて与える食材、またはまだ食べ慣れていない食材が同時に複数使われていないか確認しましょう。
アレルギー対応商品以外で、自分でも作るメニュー表記の商品も注意が必要です。
なぜなら、メニュー名と写真を見て何が入っているのか無意識で判断してしまいがちな上に、いつも食べさせている安心感があるからです。
原材料表記はきちんと確認しましょう。
商品を知った上で有効活用
さて、適切な商品を選べるようになったら、有効活用していきましょう。
調理をお休みしたい時の置き換えごはん、外出時のお弁当、災害時の非常食以外にも次のような活用方法があります。
*売り場は知らなかったメニューと出会える情報の宝庫
ママも疲れてくると、だんだんと同じようなメニューしか浮かばなくなってきます。
また、自分が苦手な食材はどのようなメニューに組み込んだらよいものか悩みます。
そんな時にベビーフード売り場に足を運んでみると、自分では思いつかないようなメニューと出会えることがあります。
何種類か買い置きしておき、メニューに困ったときに眺めるというのもよい手ですね。
*苦手食材を克服するきっかけになる
どうしても食べてくれない食材はありませんか?
色々と調理法を工夫しても食べてくれず諦めていたり、どう工夫して良いかわからない場合、思い切ってベビーフードに頼ってみましょう。
ベビーフードは広く多くの赤ちゃんが好むよう、刻み方や味・風味付け、舌触りなどがとても工夫されています。
ベビーフードが突破口になって食べられるようになる可能性が十分にありますよ。
*栄養バランスを整える
1日のメニューで足りなくなりがちな栄養を、ベビーフードで摂ることで、食事の栄養バランスが整います。
離乳食は炭水化物に偏りがちですが、たまには野菜や肉・魚も入っているごはんものに変えてみたり、デザートタイプのもので果物を足してみてはいかがでしょうか。
*おかずタイプの有効活用
ごはんやうどんのストックもあるし、いくつか食材もあるけど、何もメニューが浮かばない時やどうにも作る気になれない時、おかずタイプのベビーフードが便利です。
おかずとして出してももちろん良いですが、ごはんに煮物などのおかずタイプをのせて、丼物にしてしまうのもオススメです。
また、お湯に適量のベビーフードを加えうどんと合わせるのも簡単ですよ。
ラタトゥイユや八宝菜は、水分が少なく食べにくい肉や魚におしゃれなソースとしてかけても良いですね。
*おやつはベビーフードでラクしよう
デザートタイプのものからレンジで気軽に蒸しパンができるものまで、様々な商品があります。
フルーツの買い置きがない時や、おせんべいなどが続いているけど作る気力がない時、これらを利用するとラクですよ。
*親子で食べられる うれしいタイプも!
和光堂の「親子deごはん」シリーズのように、親子で同じメニューが食べられるように工夫された合わせ調味料タイプもあります。
調理時間が短縮できる上に、メニューが簡単に決まるので、ママの強い味方になりそうですね。
赤ちゃんの食欲で悩んでいませんか?
外食先の離乳食や、お菓子はモリモリ食べてくれるのに、自分が作った離乳食は食べてくれないという悩みは意外と多いかもしれません。
頑張って作る離乳食を食べてもらえないというのは、落ち込みますね。
食べてくれないことが続くと離乳食を作る気力がなくなったり、時にはイライラして赤ちゃんにあたってしまうこともあるかもしれません。
長く続くとますます解決の糸口がつかみにくくなる、食欲の悩みについて原因と対処法を考えます。
手作り離乳食だけでなくベビーフードやお菓子もあまり食べない場合
*もともと食が細い
離乳食を始めた頃からずっと食が細く、食への興味も薄いと、あまり沢山食べないタイプの子である可能性が高いです。
お菓子やベビーフードも一貫してあまり食べない傾向にあります。
元気であれば、ママは食べる量を他の子と比較しないようにしましょう。
体質なので不安にならなくても大丈夫です。
・対処方法・
おやつは市販のベビー用のお菓子ではなく、おにぎりや果物にして、エネルギーや栄養を補給します。
また、お散歩やお外遊びをさせるとお腹が空きやすくなります。
お菓子は食べるけど、離乳食はあまり食べない場合
*間食でお腹が満たされてしまっている
1歳近くになると、ママが準備しているのを待ちきれないことがあり、しばしばお菓子を与えて待たせることがありますね。
いざご飯の時間になるとお腹が少し膨れてしまい、食べたいという欲求が減ってしまうのかもしれません。
・対処方法・
食前にどれくらいどんなお菓子を与えているのか一度見直してみましょう。
おせんべいやスナック菓子は少しの量でも、時間が経つとお腹で膨れます。
いつも調理中にお腹が空いたと訴えるようなら、思い切って食事の時間を早めるのも手です。
難しければ、おにぎりやサンドイッチ、蒸しパンなどを作っておき、主食だけフライングして食べさせても良いですね。
*マンネリしている
ママも忙しいのでついつい同じメニューになりがちですね。
赤ちゃんは同じメニューに飽き始めているかもしれません。
ですから、たまの外食やベビーフード、お気に入りのお菓子はよく食べるのかもしれません。
・対処方法・
ママが離乳食作りに疲れている場合、しばらくの間ベビーフードに切り替えてみてはどうでしょうか。
1週間ほどベビーフードにすれば、元のメニューも新鮮な印象になりますね。
ベビーフードに抵抗がある場合は、しばらく開いていなかった離乳食本を眺めたり、ベビーフードのラインナップを見てみると良いです。
普段とは違う離乳食が思い浮かびます。
初期の食材『バナナ・りんご・にんじん』マンネリ離乳食から脱出
急に離乳食が進まなくなった場合
*濃い味付けを覚えてしまった
一度濃い味付けを口にし、しかもそれが美味しいという体験をすると、素材の味では物足りなくなって、食が進まなくなります。
食べなくなる前に濃い味付けのものを食べさせたりしていないでしょうか?
例えば、少しならいいかと、ふりかけご飯を食べさせると、その後ふりかけがなければご飯が食べられなくなる子もいます。
・対処方法・
一度慣れてしまうと薄味に戻すのは難しいです。
元の薄味を出し続けて頑張るのも一つですが、いつもの味付けよりやや濃い目に作り、徐々に元の薄味に戻していく方がママも赤ちゃんもストレスが少ないと思います。
まだ味付けをしていないようであれば、お出汁を濃くしたり、ごまや味噌などの香ばしい香りを利用するのも良いです。
ふりかけの代わりにはしらすを使うと良いです。
*凝りすぎたメニューが裏目に出ている
栄養バランスを考えて必死に作るそのメニュー、全体の味・量のバランスは取れていますか?
ご飯ものも具沢山、煮物・焼き物も具沢山、デザートも気合が入った具沢山のゼリー、では食べる方も疲れてしまいます。
おかずに具材の種類を多くするなら、ご飯は白米にしたり、うどんはかまぼこ程度にしておくなどメニューの中にメリハリをつけることも大切です。
また、こだわりの調味料を使っている場合、その良さが赤ちゃんには伝わりにくいこともあります。
香りの強いスパイスや風味のあるオイルで食が進まないのかもしれません。
・対処方法・
赤ちゃんの味覚はとても繊細で、素材の味だけでも十分に足ります。
一品に具材を入れすぎたり、強い香りを加えると、離乳食の味がごちゃごちゃしてしまいます。
美味しい離乳食というのは、素材一つ一つの味がしっかり味わえて、お出汁や肉・野菜などの優しい旨味で全体が調和されたものです。
大人の目線ではなく赤ちゃんの目線で、見た目・味・量のバランスが取れているか見直します。
*ママ!それ・・・美味しくないかも。
色々な食材が食べられるようになると、ママも試行錯誤して好き嫌いなく食べられるように頑張ります。
中にはママ自身も食べたことのないメニューを作ることもあります。
いつも必ず味見はしているでしょうか?
知らず知らずのうちに美味しくない離乳食を出しているかもしれません。
・対処方法・
例えば葉物野菜を食べてくれないと、ミキサーでほうれん草や小松菜を潰してハンバーグに加えたり、パンケーキに入れたりしますね。
そうする前に、丁寧に野菜の下処理はできているでしょうか?
きちんと下茹でしないと、独特の青臭さやえぐみ、渋みは抜けません。
ソテーの場合も、ザルにあげてアクの滲み出た油をちゃんと落としているでしょうか?
細かい処理を怠ると、繊細な味覚の赤ちゃんにはとても食べにくいものになってしまいますよ。
また、食材の組み合わせも非常に重要です。
何でもかんでも混ぜてしまえは見直したほうが良いです。
そして、新作を作ったら必ず美味しく食べられるか味見しましょうね。
お家以外では食べるけど、お家だと食が進まない
*食卓に興味がわかない・楽しくない
お友達と一緒に摂る食事や、お出かけ先での食事は大人も食が進みやすいですね。
みんなでワイワイ、楽しくお話ししたり、お家以外の場所に気分が高揚したり、いずれの食事も楽しい時間になっていると思います。
おうちではどうでしょうか。
ママは家事やスマホをしていたりテレビに夢中で赤ちゃんの離乳食は片手間になっていないでしょうか。
赤ちゃんはママと一緒に食卓を囲んでいるようで実は孤立しているかもしれません。
まだ、食べることの練習段階ですので、興味や楽しい気持ちが湧かないと離乳食をきちんと食べることは難しいです。
そのうちに興味が遊びの続きに行ってしまったり、時には離乳食がおもちゃになってしまうのは無理ありません。
・対処方法・
できれば赤ちゃんと同じ時間にママも食事をしましょう。
そしてたくさん話かけて楽しい雰囲気作りをしていきましょう。
離乳食やベビーフードを場所を問わず食べない
*離乳食で遊んでしまう時期
どんな子も離乳食を始めてしばらく経つと、お皿やコップなどの食器や離乳食をひっくり返し始めます。
これは「なんだろう?」という単純な興味からやっていることで、ごく自然なことです。
また、手づかみで食べられるようになると、食べるついでに遊んでしまったりすることもよくあることです。
・対処方法・
そういう時期だと思って見守ります。
片付けが楽になるような工夫をしておくとストレスが減りますよ。
*食事が嫌になっている
怒られたり、嫌なものを無理やり口に入れられる経験をすると、食事そのものが嫌になっている可能性があります。
・対処方法・
少々の遊び食べや吐き出すといった行為は、一旦受け止め、優しくお話しするように注意しましょう。
そして、「ニンジンさん美味しいね」とか「このひと匙だけ食べてみるのはどうかな?」など声をかけながら、嫌にならない程度に与えて、少しずつ食事に慣れてもらいましょう。
目指すはとびきり美味しい離乳食!【だし編】
突然ですが、美味しい離乳食を作っていますか?
一般的に離乳食本や育児本では、離乳食の味付けはしないもしくはごく薄味にし、素材の味で食べさせると書かれています。
基本通りに頑張っているけれど、美味しいかどうかまではあまり意識していないというママや、赤ちゃんが食べてくれないなどのつまづきで、美味しくないのかな?と悩んでいるママもいらっしゃると思います。
せっかくですから、できれば美味しいと思えるものを作ってあげたいですよね。
でも、基本的に味付け不要となっているので、美味しくすると言ってもどんなところをどうやって工夫すれば良いか分かりにくいものです。
離乳食を美味しくする工夫は幾つかあります。
今回は最も取り入れやすいけれど、難しいと思われがちなだしを使って美味しくする工夫をご紹介します。
一緒にとびきり美味しい離乳食を目指してみませんか?
赤ちゃんが美味しいと感じるのは塩味・甘味・旨味
味には主に塩味・苦味・酸味・甘味・旨味の5つがあります。
その中で赤ちゃんが好みやすいのは塩味・甘味・旨味の3つです。
逆に、苦味・酸味は受け入れにくい傾向にあります。
調味料に極力頼らず、素材の味を使って、塩味・甘味・旨味が感じられる離乳食が美味しい離乳食です。
さて、離乳食作りで強い味方として「だし」が登場しますね。
だしは、旨味がとても豊富に含まれています。
また栄養素も含まれているのですよ。
だしは食材の味に旨味を加えることで、味のバランスを整え、離乳食をぐんと美味しくしてくれます。
ちょっと高級な懐石料理や和食に出てくる焚き合わせを思い浮かべてみてください。
一つ一つの食材の味がしっかり感じられる薄めの味付けではありますが、だし汁がとても上品で美味しく、だし由来の旨味がすべての食材から深い味わいを出しています。
とびきり美味しい離乳食のイメージはまさにあの焚き合わせのような優しく上品な味です。
美味しいだしの取り方
さて、万能なだしですが、取り方や扱いを間違えてしまうと、生臭くなったり、
全く旨味が取れなかったりして、旨味を足すどころか離乳食全体をまずくしてしまいます。
美味しいだしを簡単に取れる方法をご紹介します。
寝る前に仕込んでおく水出し法
水1リットルに昆布15gを入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます。
容器はピッチャー型のものが使いやすいです。
煮干し20gを加えると深みのあるだしになります。
煮干しは頭と腹ワタを取って身を2つに裂くとよくだしが出ます。
ポットを使っただし取り
かつおの粉だし小さじ2~3をポットに入れ、沸騰しているお湯を2カップ入れます。
蓋をしないで1分半~2分静かにおいておきます。
かつおの粉が底に沈んだら蓋をし、上澄みだけを取り出すように鍋やボウルに注ぎます。
基本のかつおだし
鍋に1リットルのお湯を沸かし、火を止めて素早く花かつお(削りかつお)30gを入れます。
1分半ほど置いたら布巾をかけたボウルに注いでこします。
長く置きすぎると渋みや濁りが出るので注意します。
かつお節が残るのが気にならないのであれば、ザルでこしても構いません。
昆布とかつおの合わせだし
鍋に水1リットルと昆布10gを加え、中火にかけ約10分で沸騰させます。
沸騰直前で昆布を取り出し、強火にします。
昆布のアクをすくいとったら火を止めて花かつお20gを入れます。
この後はかつおだしの取り方と同じです。
だしを使い分ける
昆布だしは淡いので、野菜や魚ととても相性が良いです。
もちろんお肉にも使えます。
離乳食では野菜のペーストやあらごし、ほぐした魚に昆布だしを加えると美味しく仕上がり、適度な水分が食べやすくしてくれます。
かつおだしは料理全般に使えます。
昆布よりも味や香りが濃いので、食が進まないメニューに加えるのに向いています。
味の薄い白菜や独特の香りがあるほうれん草や小松菜を食べやすくしてくれます。
昆布と煮干し、昆布とかつおの合わせだしは、味に深みがあり、どんなお料理にも合います。
うどんの汁物やあんかけのあんのベース、野菜の炊き合わせ、汁物を美味しくしてくれます。
白だし・顆粒だしには塩分が含まれているので使わない
白だしや顆粒だしはそれだけで汁物の味を決めてくれてとても使い勝手が良いですね。
しかし、これらには醤油や塩が入っているので塩分が高く、離乳食向きとは言えません。
一方、離乳食コーナーで売られている顆粒だしは、かつお節をそのまま顆粒にしたものなど、塩分がそれほど含まれていないものがあります。
そういったタイプの顆粒だしは使用しても大丈夫です。
だしをとる時間がない時などとても便利ですね。
目指すはとびきり美味しい離乳食!【野菜編】
目指すはとびきり美味しい離乳食!野菜編です。
野菜を使うとき、とにかく柔らかく煮ておけばいいや!と思っていませんか?
肉や魚を調理するとき、火加減やアクなど様々なことを気にしますね。
火を通しすぎると、肉質が硬くなりますし、煮込めばアクが出ます。
野菜も同じです。
ちょうど良い火加減があり、種類によって向いている調理法があります。
煮込めばアクも出ます。
野菜を美味しく調理することは、赤ちゃんに野菜を好きになってもらう近道になります。
野菜の美味しさを利用してとびきり美味しい離乳食を作ってみてください。
初期の頃からずっと使える調理法~煮る・茹でる~
離乳食で野菜を使うとき、特に初期の頃重宝する調理法が、「煮る・茹でる」です。
どちらであっても、鍋が沸騰してくるとお湯にアクが出てきます。
このときにしっかり強火で煮立ててアクを抜くことがポイントです。
アクが抜けると素材の旨みだけでも十分に美味しく食べられます。
煮るときは、野菜全体が浸るよりやや多めの水を加えますが、煮立てているうちに水分量が減ってきたら適宜足します。
茹でるときは、たっぷりのお湯を沸かした鍋に野菜を入れます。
ちょうど良く火が通ったら余熱で火が入り続けるのを防ぐために、すぐに急冷却します。
ほうれん草は冷水にさらしますが、基本的には野菜自身を冷水にさらすことはしません。
ザル上げした野菜をボウルやバットに入れて、入れ物の底を冷やします。
グリーンピースは茹で汁ごと冷まし、トウモロコシや枝豆、そら豆などの豆類は自然に冷まします。(*1)
*1 出典;「VEGETABLE 真中シェフの野菜の美味しい「こつ」レシピ」p22,24-25 真中陽宙 著 世界文化社
火が通ったかどうかは竹串などで刺してみると分かりやすいです。
初期・中期は茹でるよりもしっかりと煮る方が使いやすいです。
大根やじゃがいもが煮崩れして、ドロドロ状になるまで煮ると、味が濃縮されて深い味わいになります。
スープ全体にとろみが出てくると、サラサラのスープよりも食べやすくなります。
噛む練習にちょうど良い調理法~焼く~
焼き野菜は香ばしさが加わり、茹でた時とはまた違った美味しさが楽しめます。
離乳食用に焼く場合、テフロン加工などノンオイルで焼けるフライパンが一つあると便利ですよ。
野菜は小さめに刻んでから火を通すと、水分が飛びすぎてパサパサになります。
ある程度の厚み・大きさで火を通した後、器の中で程よい大きさに切ったり潰したりするのがオススメです。
目安として1cmほどの厚みは欲しいところです。
後期以降少しずつオイルに慣れてきたら、少量のオリーブオイルで焼くと風味豊かに仕上がります。
野菜によっては下ゆでしてから焼いた方が良い野菜があります。
かぼちゃ・ブロッコリー・レンコン・さつまいも・じゃがいも・大根・ニンジンです。(*2)
いも類は約4分、それ以外は約2分半茹でます。
*2 出典;「VEGETABLE 真中シェフの野菜の美味しい「こつ」レシピ」p30-31 真中陽宙 著 世界文化社
大人も美味しいスープ
野菜のスープを作る時は、煮る時と同じような要領で作ります。
野菜全体が浸るよりやや多めの水を加えて強火にかけ沸騰させます。
しっかりとアクを取りのぞいたら、弱火にして野菜が柔らかくなるまで煮ます。
火が通ったらミキサーにかけ、こし器でこし、入れ物の底を冷やします。
温めて食べたい時は電子レンジ加熱がオススメです。
大人は塩・コショウ・E.V.オリーブオイルを適宜加えて頂きます。
スープにオススメな野菜
・グリーンピース
・じゃがいも
・かぼちゃ
・トマト
・玉ねぎ
・トウモロコシ
・パプリカ
・グリーンアスパラガス
目指すはとびきり美味しい離乳食!【香り編】
美味しくするのに香り?と疑問に思われるかもしれませんが、香りと美味しさはとても密接な関係にあります。
例えば、風邪で鼻が詰まってしまうと匂いが分かりにくくなると、ごはんの味が分からなくなることってありませんか?
鼻づまりがなくなると、元の味覚が戻ってきますね。
また、カレーの香りや焼肉の香ばしい匂いも食欲がかき立てられます。
香りを上手に利用することで、食事を美味しく演出することができるのです。
では実際にどのように離乳食に応用すれば良いのでしょうか。
赤ちゃんにとって香りはほんのりで十分
赤ちゃんに美味しく食べてもらおうと、スパイスやハーブなどを大人と同量使うのは考えものです。
顔の付近でほんのり感じられるくらいが丁度良いです。
あくまで、素材の味と香りが主役ですので、香りづけは隠れてしまわないようにします。
また、唐辛子やコショウなどのスパイス類は刺激が強すぎますので使いません。
カレー粉は1歳以降にします。
ウコンを中心とした赤ちゃん向けのものを使うと良いです。
ハーブも1歳以降が望ましいです。
独特な香りが強いと逆に食べにくくなってしまいますので、使う時はごく少量にとどめます。
香味野菜をうまく使う
香味野菜とは、薬味に使われる野菜のことです。
香辛料や香味料として使われます。
・ネギ
・セロリ
・玉ねぎ
・シソ
・ミツバ
・ニンニク
・パプリカ
・パセリ
・バジルなど
離乳食に使いやすいのはネギ・セロリ・玉ねぎ・パプリカです。
例えば野菜スープを作る時に、大人用では具材を炒め、塩コショウやブイヨンを使って味を出します。
赤ちゃんではなかなかそうはいきませんよね。
そんな時、玉ねぎやセロリを加えると食欲を誘う香りだけでなく、自然な甘味や旨味を足すことができます。
大根や人参だけでは物足りない時にオススメです。
おかゆに飽きてしまった時は、パプリカと玉ねぎを加えてトマトリゾットはどうでしょうか。
パプリカは外側の皮をむいて使ってくださいね。
柑橘系の皮でワンランク上の香りを添える
和食でも洋食でも、ゆずやすだち、かぼす、ライム、レモンといった柑橘系を使って香りづけをしますね。
離乳食にも応用してみてはどうでしょうか。
ただし、ほんのり香る程度にします。
皮を添えて香りづけする場合、果実は国産のものを選びます。
外国産のものには、発色を良くするためのワックス剤や防カビ剤が使われているので、あまりオススメしません。
ゆずやレモンの皮は適度に刻み小分けして冷凍しておくことができます。
搾り汁は使い切れなかったら冷凍しておけますが、風味が落ちますので、使い切れないものは大人用おかずのマリネなどに使うと無駄になりません。
*皮を添えるメニュー例*
添えるタイミングは一通り調理が済んでからです。
蓋ができるものは食べる直前まで蓋をしておくと、香りが飛んでしまうことを防げます。
茶碗蒸し、魚の蒸し物、湯豆腐、おひたし
*絞り汁を使うメニュー例*
食べる直前にかけても良いですし、魚や鶏肉の上にかけてからグリルしても良いです。
白身魚は柑橘系ととても相性が良いですよ。
魚のグリル、鶏肉のグリル、ピラフ、パエリア、揚げ物
赤ちゃんが大好きなゴマ・海苔はほんの一手間で香りが広がる
ゴマはつぶしたり、刻んだりすると香りが立ち、とても香ばしくなります。
また、赤ちゃんも大人もゴマはつぶしたりしないと、せっかくの栄養素を吸収できません。
一番良いのは、フライパンで炒った後、すり鉢で潰すか、刻むのが良いです。
とても美味しく頂ける方法ですが、面倒な作業なので、すりごまやいりごまを購入すれば良いと思います。
いりごまは使う際に、親指と人差し指でつまみ軽くすり合わせるようにしてふりかけると、程よくゴマが割れて香りが立ち、栄養も吸収できます。
海苔は赤ちゃんの好きな食材の1つですね。
開封したてはとても良い香りがして、パリパリですが、時間が経つと、湿気ってしまい、香りもあまりしなくなります。
そんな時は海苔を炙ると良いです。
①コンロにフライパンをセットし、強火で温めます。
②フライパン上で海苔を手前から奥、奥から手前へと行き来させると、湿気が飛びます。
湿気が飛ぶとパリパリ感が戻り、香りも立ちます。
使う前は是非炙ってみてください。
苦手な酢の香りの克服法
酢は苦手な赤ちゃんや子供が多いですね。
酸っぱいという味よりも、ツンとする香りがネックで味わう前に嫌になってしまう子が多いです。
酢の独特の香りは加熱することで抑えることができます。
ポン酢や黒酢で炒め物をするときはしっかり加熱してみてください。
香りが抑えられるだけでなく、コクが増して酸味が消えるのでとてもまろやかな味わいになります。
遊び食べと偏食の原因と対処法
離乳食が順調に進んでいると思ったら、月齢が大きくなるにつれて遊び食べや偏食が始まることがあります。
これらのトラブルは1度始まると数日から数ヶ月続くこともあり、対処法に困ってしまうとというパパもママも多いはず・・・。
原因と対処法がわかれば、改善することができたり、そういうこともあるよねと余裕を持って対応することができますね。
今回は食べないことの次に多い離乳食トラブルについて、繰り下げてみます。
① 遊び食べ
②偏食
離乳食に限ったことではない?食事にまつわるトラブル
食事の時間にきちんと食べられなかったり、偏った食事をとり続けるというのは、誰しも思い当たる節があるものです。
これらは、乳幼児の間だけではなく、高校生・大学生・社会人になっても起こりうることですね。
長い目で見れば、こうした食事のトラブルは離乳食に限ったことではなく、一時的に改善されても時間が経てば別の形で出てくるものです。
離乳食の時から食事の大切さを伝え続けることで、幼児期、児童期と成長した時に、偏食や過食・拒食などのトラブルを防ぎやすくなります。
離乳食で起こるトラブルは食育の良い機会と考え、できるだけ対応してあげることをお勧めします。
では、離乳食のトラブルについてどのように対応すれば良いのでしょうか。
それはきつく叱ったり、怖い顔で赤ちゃんを責めることではありません。
まずはパパママが原因が何かを考え、原因を取り除くためにできることをしてあげます。
そして、同時にどうしてきちんと食べなくてはいけないのかを優しく教えます。
どうせわからないからと言って言葉で説明しないというのはオススメしません。
それなりに感じ取っているものですので、是非簡潔な言葉で教えてあげてください。
何より大切なことは、サポートするパパとママの心の余裕です。
1日で改善されることではありませんのでゆったり構えましょう!
食育で培ったことは、子供にとって一生モノです。
毎日を明るく元気に過ごし、自分を大切にするために、健康的に食べるということを0歳から教えていきましょう。
離乳食で遊んでしまう時の原因と対策
いわゆる遊び食べです。
離乳食初期の遊び食べや中期以降のつかみ食べと完了期以降の遊び食べは、意味合いが異なるので分けて考える必要があります。
初期の頃の遊び食べは、初めて目にする離乳食への興味からするもので、食べて良いものだとわかり、食べることが好きになれば自然と収まります。
この時に大きな声や怖い顔で怒ってしまうと、食卓に良いイメージが生まれず、離乳食が嫌になってしまいますので、優しく食べるものだと教えてあげましょう。
中期以降のつかみ食べは、成長過程でとても大切なことです。
まだ上手にスプーンやフォークを自分で使えないけれど食べたいという気持ちの表れです。
口に頬張りすぎることやつかめない豆腐を掴もうとしてぐちゃぐちゃにすることもあるでしょうが、この経験は一人で食べられるようになった時、どのくらい頬張って良いのかを自分で決めたり、適切な道具を選ぶことにつながっていきます。
つかみ食べはどんどんさせましょう!
さて、これら2つ以外の遊び食べは、食事に集中できないという赤ちゃんからのサインです。
パパとママがその原因にきちんと気づいて対処してあげることが何よりも大切なことです。
決して怒鳴ったり叱り続けるようなことはしないようにしましょう。
まずは生活を見直してみます。
・食事の時間・場所はだいたい決まっていますか?
・食卓はリラックスできる場になっていますか?
これらがクリアできている場合は、集中できない原因が他にあります。
・テレビを見ながら食べさせていないでしょうか?
・遊んでいたおもちゃは片付けましたか?
・お腹はちゃんと空いていますか?
・ママの顔、怖い顔をしていませんか?
一度食事の風景を客観的に見つめ直してみましょう。
偏食の原因と対策
偏食の主な原因はその味が嫌いだから。
離乳食完了期以降の味覚が育ってきた頃、味に対して好き嫌いが出てきます。
味覚が育っているという点では喜ばしいことですね。
でも、いつも同じようなものばかりを食べていては栄養に偏りが出てしまいます。
原因の多くは味に対する嫌悪感ですが、食材によっては調理法によって味の印象を変えられるものもありますね。
そのような食材の場合、調理法を変えることで食べるようになることもあります。
しかし、色々と工夫を凝らしたところで多くは口に入れるのも嫌がります。
そんな時、ハンバーグやコロッケなどに入れて見た目でわからないようにして与えることがありますね。
これは偏食の解決策としてはあまり良くない方法です。
本人が食べているという自覚を持てるように、目で見て入っていることが分かる方が良いです。
いつもと変わらない量盛り付けますが、当然全部は食べてくれません。
最初はそのひと山から、耳かき1杯分でいいので食べようねと声をかけて食べさせた方が良いです。
嫌がりますし、残すし、ママにとってはこの上ないストレスです。
しかし避け続けていると、その味に慣れていく機会はどんどん奪われ、いつまでたっても克服はできません。
美味しく食べられなくても、自分のために苦手なものにもチャレンジすることは早めの月齢から取り組んだ方が良いです。
やがてイヤイヤ期に入りると、もっと食べさせにくくなりますよ!
上手に使ってラクしよう!ホームフリージング
毎回下ごしらえから始めるのは、赤ちゃんのお世話で追われているママには大変ですよね。
そこで強い味方になるのがホームフリージング、冷凍保存です。
ホームフリージングはただストックするという意味合いだけではなく、まとまった量を下ごしらえするので調理しやすくなったり、食材の無駄を減らすことにも役立ちます。
上手に使うことで、離乳食作りを格段にラクにしてくれるので、是非使いこなしたいものです!
安心安全な離乳食のために・・・
調理器具の清潔には十分配慮します。
きちんと台所洗剤で洗った後、熱湯消毒しましょう。
調理器具で可能なものはハイターなどで次亜塩素酸消毒をしたり、小さなものは鍋で煮沸すると良いです。
保存容器は使いきりタイプのものでなければ同じようにきちんと消毒しておきます。
使用する食材は必ず新鮮なものを使います。
冷凍庫の中は細菌が繁殖しにくい環境ではありますが、全く繁殖しない訳ではありません。
ゆっくりではありますが着実に傷んでいきます。
保存したら1~2週間で使い切るようにしましょう。
効率の良い保存方法
出来立てのアツアツを冷凍庫に入れると、フリージングに時間がかかる上、冷凍庫内の温度が上昇し、電気代もかかります。
熱いものは事前に粗熱をとってから冷凍庫に入れましょう。
密封されていない状態でフリージングし続けると、冷凍焼けを起こしてしまいます。
冷凍焼けとは、食品の酸化と乾燥による劣化のことです。
容器に移した後は余計な空気を抜いて密封し、可能であれば冷やした金属バットに乗せて素早く冷却すると良いです。
まとめて作った後は1回分ずつに小分けします。
製氷器が便利ですが、シリコン製のフリージング容器や小分け用のプラスチックケースなども市販されています。
シリコンカップは将来的にお弁当でも使えるものがあります。
何が必要か吟味してみてくださいね。
もちろんそのようなものがなくても、ラップとチャック付きの保存袋を駆使して密閉保存することができます。
オススメのフリージング向き基本食材 6選
①おかゆ・ご飯
1回分のおかゆを作るよりも、お茶碗2杯分ほどのおかゆを作る方が断然ラクですよね。
ご飯も同様かと思います。
1回分ずつ小分けして1週間分位作っておくととても便利です。
もしも災害に見舞われて、ライフラインがストップしてしまっても、湯煎で解凍して食べることができますので、保存食としての役割も担ってくれます。
②食パン
食パンは1回分ずつ切って、ラップに包んだ後、保存袋に入れて空気を遮断しフリージングします。
パンがゆにするときはすりおろし、パングラタンにするときはサイコロ状に刻んだりしますが、凍っている方が扱いやすいですよ。
③うどん
1玉分の生うどんを1回分ずつに分けてストックしておきます。
ラップに包んで保存袋に入れると便利です。
使うときは加熱調理しておきます。
④野菜スープ
1回分だけ作るのが難しいスープもまとめて作って保存しておくと良いです。
特に初期の頃はたくさん食べないので、製氷器でキューブ状にしておくと、解凍するときに量が調節できて便利ですね。
⑤葉物野菜
茹でてしっかり水気を切って、刻んでから小分けに冷凍します。
初期から中期でペースト状にしたい時は、刻まずに棒状に形を整えてフリージングしておきます。
使うときにすりおろすとブレンダーやミキサーを使わなくても欲しい分だけペーストが作れます。
⑥ムネひき肉
生のまま、少量ずつ小分けにして冷凍しておきます。
肉類は加熱してからフリージングすると硬くなるので生のままが良いです。
ひき肉を使うと1枚肉を刻む手間が省けます。
⑥魚の切り身・刺身
切り身は少量ずつに刻んでから、刺身は1~3枚ずつラップに包んで保存袋に入れてフリージングします。
どちらも生のままです。
加熱してからフリージングすると、再加熱した際、パサついて味も落ちます。
⑦納豆
フリージングする際はパックのままでも良いですし、中身をラップに包んでも良いです。
粘りが抑えられるので、凍った状態で刻むのがオススメです。
⑧しらす
湯通しして塩抜きしてから小分けにしてフリージングします。
棒状に整えておけば、凍ったままをすりおろして食べやすくすることもできます。
あると便利!野菜別おかず一覧表
野菜を使ったおかずのレパートリーはどれくらい浮かびますか?
気持ちに余裕がある時はいくらでも浮かんでくるのに、忙しい時や疲れている時って不思議となかなか思い浮かばないものですよね。
そんな時、野菜別に整理したおかずの一覧表があると便利ですよ。
おかずの一覧表を作っておくことで、何を買い足せば良いのかが分かりやすく、節約にもつながります。
今回は野菜別のおかず一覧表の作り方・活用方法と食材別のおかずをご紹介します。
野菜のおかず一覧表は自作するから使いやすい!
野菜のおかずに限らず、メニューの一覧表は自作したものが使い勝手が良いです。
なぜなら、地域・家庭によって購入しやすい食材が違いますし、作りやすいメニューもママによって違うからです。
自作と言ってもそんなに難しいものではないですし、こだわって時間をかけて作る必要もありません。
チラシの裏などに書き出したメモ書きのようなものを想像してもらえたら良いと思います。
一覧表の作り方
①まず大まかに野菜をグループ分けをする
②次にグループごとにその野菜を主に使うおかずを書き出す
たったこれだけですから簡単ですね。
それではグループごとに調理のポイントとおかずの一例とレシピをご紹介します。
じゃがいも・にんじん・さつまいも・かぼちゃ
*初期*
初期の野菜の加熱法は茹でる・レンジ・蒸すがメインになります。
<茹でる>
メリット:水に野菜のアクが出るので、雑味を少なく仕上げられることです。
デメリット:水溶性ビタミンが茹で汁に溶け出してしまうことです。
しかし、この時期は食べることの練習が目的であって、栄養を摂ることが目的ではありませんのであまり気にする必要はありません。
<レンジ・蒸す>
メリット:栄養が失われる量が少なくてすむことです。
デメリット:加熱しすぎると水分が失われすぎてしまうことです。
蒸す場合は、準備と片付けが面倒なことでしょう。
さて、じゃがいもなどの甘い根菜類は、舌触りを良くするために皮を取り除いてから、柔らかくなるまで加熱して、しっかりと潰してペースト状にします。
味付けはしません。
旬の野菜を選ぶことで甘みが強くて美味しいペーストになります。
すり潰す時に、白湯もしくは少量の調乳済みミルクを加えて水分を足します。
しっかり混ぜ合わせ、野菜に水を吸わせましょう。
野菜と水が分離していると飲み込みにくく食べにくいです。
一度にまとまった量を作り、冷凍保存しておくと便利です。
*中期*
初期のペースト状から少し粒が残るくらいにします。
中期に移行したての時はほとんどをペースト状にし、少しずつ粒状の割合を増やして中盤には完全に粒状にします。
野菜を先に5mm角にみじん切りにしてから加熱するか、適度な大きさで加熱したものを荒く潰せば良いです。
味に飽き始めたら、2種類の野菜を混ぜたり、煮るときに水ではなく、だし汁を使います。
アクセントに青のりをかけるのもおすすめです。
*後期*
野菜を7mm角に切って柔らかく煮ます。
使える食材も増えてきましたので、少しずつアレンジを増やしていける頃です。
野菜だけでは食が進まなくなってきたら様々な組み合わせを試してみてください。

にんじのしらす和え
昆布だしで煮たにんじんに、湯通ししたしらすを和えます。

じゃがいもとササミのチーズソースがけ
じゃがいもとささみを食べやすい大きさで煮て皿に盛ります。
豆乳にプロセスチーズを少量加え、レンジ(600Wで30秒前後)で温め、よくかき混ぜます。
チーズがしっかり溶けたらじゃがいもとささみの上にかけます。
*完了期*
かじりとることもできるようになる頃ですので、食べやすい大きさで、柔らかく加熱していれば良いです。
少量の油が使える頃でもありますので、シンプルに焼き野菜を楽しむのも良いですよ。
これまで嫌いだった野菜が、焼くことで食感が変わり食べられることもあります。
焼き野菜の厚みは2cm位がおすすめです。
先に下茹でしておき、焼くときは表面をカリッと焼く位が美味しくいただけます。
火を通しすぎると水分が失われて食べにくくなります。
また、味付けに工夫をしておけば、大人のメニューを取り分けることも可能です。
メニューに困ったらパパママと同じものにしてしまってもいいですね。

肉じゃが
大人用の肉じゃがと同じ材料を同じ切り方しておきます。
具材を一煮立ちさせたら、使う予定の調味料を4分の1から3分の1加えて少し煮ます。
調味料が馴染んだらじゃがいもとにんじんを取り分けて離乳食とします。
鍋には残りの調味料を加えて大人用に味を調えて食卓へ。

豚汁
具材は大人用と同じ切り方しておきます。
・その1
だし汁で一煮立ちしてら、使う予定の味噌を4分の1から3分の1加え溶かします。
汁がブクブクとしてきたら離乳食用に取り分け、鍋に残りの味噌を加えて大人用とします。
・その2
だし汁で一煮立ちした後、味噌を全て溶かしてまた少し煮ます。
離乳食用に取り分ける際に、汁はお椀の3分の1にし、そこに白湯を加えて味を薄めます。
白菜・キャベツ・ホウレン草・小松菜
*初期*
繊維が多い葉物野菜は柔らかい葉の部分を使います。
茹でた後細かく刻んですり鉢で繊維をしっかり潰します。
とろみがないと食べにくいので、片栗粉を使ったり、根菜類のペーストと合わせると良いです。
ほうれん草はアクが多いので、茹でた後、しっかりと絞って水気を取りのぞきましょう。
*中期*
まだまだ繊維を断ち切ることが難しいので、柔らかい葉の部分を使います。
茹でた後みじん切りにしてとろみを足します。
おかゆに混ぜると食べやすいです。
*後期*
柔らかく煮れば茎の部分も使えるようになります。
茎の部分はみじん切りにして、葉の部分は1cm大に刻みます。
ご飯物やうどんの具材に彩りで加えたり、お味噌汁の具材にしたりと使いやすいですね。

ほうれん草の納豆和え
ゆでて細かく刻んだほうれん草と、刻んだ納豆を和えます。
しらすやゴマ、かつお節粉などを加えても良いです。

小松菜パンケーキ
パンケーキの生地に刻んだ小松菜を少量混ぜ入れ焼きます。
無糖のココアを加えると食べやすいです。
小松菜以外にほうれん草でも良いです。
*完了期*
キャベツや白菜は1.5cm大に刻んで、スープや炒め物に加えます。
硬い芯の部分は薄くスライスしておくと食べやすく、火の通りも早いです。
小松菜やほうれん草は柔らかく下茹でした後、水気を切って1.5cm大くらいに刻みます。
ご飯物やうどん、味噌汁、スープ、炒め物などに加えます。

焼うどん
うどんと具材の野菜は軽く下ゆでしておきます。
薄く油を入れ熱したフライパンでうどんと具材をさっと炒めて、かつお節粉で味付けします。
少量であれば醤油を加えても良いです。

キャベツとコーンの炒め物
薄く油を入れて熱したフライパンにキャベツと刻んだ魚肉ソーセージを入れて炒めます。
キャベツがしんなりしたら缶詰のコーンを加えて炒め、出来上がりです。
しめじ・えのき・エリンギ・しいたけ・マッシュルーム
*初期*
きのこ類は使えません。
*中期*
柔らかく茹でた後、みじん切りにして使います。
茹で汁には旨味が沢山含まれているので、味噌汁やスープに茹で汁を加えるなどして、活用すると良いです。
*後期*
粗みじん切りにして他の具材と一緒に調理します。

きのこの豆乳スープ
鍋に水100mlと昆布を入れてだしをとります。
きのこ以外にも、かぼちゃやブロッコリーなど好みの野菜を刻み、だしをとった鍋に入れて柔らかく煮ます。
火が通ったら、無調整豆乳大さじ1と塩で味を調え完成です。
少し味噌を加えても 美味しいですよ。
*完了期*
1cm角に刻んで、他の具材と一緒に調理します。
うどんや肉、魚にかける、あんかけの具材に便利ですよ。

便利なえのきあん
細かく刻んだえのきと小葱を鍋に入れ、だし汁で煮ます。
火が通ったら醤油と砂糖で味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成です。
だし汁をコンソメにして洋風あんにしたり、鶏がらスープにして中華風にしても良いですね。
きのこはしいたけやしめじでも良いです。
離乳食の集大成。完了期で大切にしたい3つのこと
離乳食生活も気づけば約1年・・・本当に毎日お疲れ様でした。
赤ちゃんのために頑張っているママさんパパさん、本当にすごいです!
1品1品に込めてきた愛情は赤ちゃんの成長に着実に結びついています。
離乳食が完了した後も変わらず温かい食卓を用意してあげたいですね。
さて、離乳食も完了期に入り順調に進んでいくと、「離乳食はいつまでだろう?」「離乳食後はどんな食事になるの?」と気になりますよね。
離乳食の次に控えているのは幼児食といって、大人の食事の基礎となり、直結する時期です。
赤ちゃんの時に比べ、だんだんと意思の疎通もできるようになり、本格的にしつけも始まることから、幼児食になったらこういうところは変えていこうとか、少し厳しくしていこうなど、仕切りなおしたくなる時期でもあります。
しかし幼児食自体が離乳食の流れを引き継いでいる上に、本人の意思もはっきりとしてくるので、幼児食への切り替えを理由に慣習を変えるのは現実的に難しいものがあります。
もし、食生活で気がかりなことがあるのならば、完了期のうちから改善していくように働きかけ、中長期的に改善していく方が良いですよ。
また、一方パパママの問題として、食事内容の縛りが緩くなり始めた完了期に、中食・外食でついつい大人と同じような味付けのものを与えてしまう傾向があります。
そのような経験は例えたった一度であっても、赤ちゃんの性格によっては偏食を誘発するきっかけになってしまいます。
パパママが思っているより、赤ちゃんはより美味しいものが分かっていてるし覚えているんですね。
意思も強くなる一方なので、「それがいい!それでなければ食べない!」という強固な態度をとったりしますよ。
最終回では、完了期だからこそ大切にしていただきたい3つのポイントについてお話ししたいと思います。
離乳食の完了とは・・・
最初の方でお伝えした、離乳食の定義を覚えていらっしゃるでしょうか。
「離乳食とは母乳やミルクなどの乳汁栄養から幼児食に移行する過程の食事」でした。
つまり、完了期に入ってすぐであっても、しばらく経ってからであっても、赤ちゃんが乳汁栄養に頼らず離乳食から栄養を摂ることができるようになっていれば、離乳食は完了したということになります。
母乳を卒業できていなくても、寝る前や甘えたい時だけに飲んでいて、食事の後に栄養を足すために飲んでいるようでなければ、離乳食は完了したと考えても良いでしょう。
離乳食の次は幼児食
離乳食が完了してから月齢18か月までを幼児食前期と言います。
この時期は最初の奥歯が生え、咀嚼が上手に使えるようになってきますが、まだ十分ではありません。
基本的には離乳食の完了期と同じように調理しますが、奥歯が生えようとしている時期と生えて落ち着く時期では食材の形態も変わりますので、よく口の中を観察して食べやすいような献立にしましょう。
そして、精神的にとても成長する時期でもあり、特に自分がどうしたいかという意思がはっきりし始める頃です。
個人差はありますが、パパママの言う事に反発することも増え、食事にまつわるトラブルが増えます。
離乳食の時期にどのように食事に取り組んできたかが、そのトラブルに大きく反映されるので完了期は軌道修正に最適な時期です。
完了期で大切にしたいこと~①食具をどんどん使わせる~
赤ちゃんは、どのように離乳食を食べていますか?
手づかみの子もいればスプーンを持ち始めた子、お箸が使える子まで様々な段階の子がいます。
手、スプーン、フォーク、ナイフ、箸・・・食べるために使う道具を食具と言います。
手も立派な食具なんですよ。
これら食具をきちんと正しく使えるようになるのに、何が重要だと思いますか?
早い時期から教えることでしょうか、毎食教え続けることでしょうか。
いいえ、答えは相応の手の筋肉の発達と脳の発達です。
概ね3歳~4歳頃に正しい持ち方・使い方ができるようになります。
それまでは食具を自由に使わせてください。
また、難しいだろうと勝手に判断してスプーンにばかり頼らせるのもよくありません。
下手であっても難しい食具にチャレンジし続けることは、手と脳の発達を促すことになります。
ぜひ興味を持ち始めたら専用の食具を用意してあげましょう。
さて、食具の選び方にもポイントがあります。
スプーンはボールが浅く幅が口の大きさよりも小さいものが良いです。
手全体を使ってしっかり握らせるために、柄は太く、やや重さのあるものを選びます。
箸は長すぎず短すぎないもので、滑り止めのついたものが良いです。
指を添える場所をガイドする付属品が付いているものは、3歳以上でないと使えないものが多いです。
普通の箸で十分です。
完了期で大切にしたいこと~②食事への意欲を大切にする~
食具の話にも共通しますが、赤ちゃん自身の食べたいという食事への意欲を是非尊重して大切に見守ってあげてください。
なんだろう?という興味から、実際に手を伸ばし→口に入れ→食べます。
そして「上手に食べられたね。」と周りから褒められると、「できた!」という気持ちが芽生え、次のものにも手を出してみようという気持ちにつながります。
このような成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や自信ができます。
興味が持てたらその気持ちを大切にし、失敗したりうまくいかなくても前向きに支えてあげてください。
パパママ自身が美味しく楽しく食事することも赤ちゃんの食事への意欲を育てます。
食事への意欲がしっかり支えられていれば、苦手なものが出てきた時に、一緒に乗り越えようね、というパパママの働きかけに耳を傾けることができます。
成長していく中で悪化しがちな偏食は、このように完了期に向き合う基礎を作っておけば、乗り越えやすくなりますよ。
食への意欲は、自力で食べるという小さな自立への一歩、そして苦手なものにチャレンジする強い気持ちの根源です。
大切に育てていきたいものですね。
完了期で大切にしたいこと~③素材の味を生かした薄味~
離乳食では一貫して薄味、特に塩分に気をつけてきました。
これは、赤ちゃんの腎臓機能がまだまだ未熟であることが主な理由でした。
一方で、一度濃い味付けに慣れると薄い味では物足りなくなってしまうことから、できるだけ薄味、素材の味で美味しく食べられる味覚に育てるためでもありました。
日本人の食事内容は塩分と脂肪分が高い傾向にありますが、それは大人に限ったことではなくなってきました。
近年の子供は高い塩分に高カロリーな食事を好む傾向にあり、幼児肥満や糖尿病などの生活習慣病にかかる子供が増えています。
体のできていない早い年齢からそのような食事を与え続けることは、健康にとって良いことではありません。
赤ちゃんの未来を守るために、薄味でバランスの良い食生活を教え続けていきたいものです。
もしすでに薄味では食べなくなっているようであれば、できるだけ薄味に戻す、無理であればそれ以上味を濃くしないようにしましょう。
まとめ
離乳食の大切さと役割、そして取り組み方についてイメージして頂けたでしょうか。
離乳食が段階別になっている理由
次の段階に進むための判断の仕方
基本的な離乳食の考え方・調理法について
離乳食本で読み飛ばしがちな部分は、あえて強調するようにお話してきました。
これら基本を知ることは、たくさんのレシピを知っていることよりも大切です。
その日の献立にしろ、市販品・外食を選ぶ時にしろ、基本知識がなければ自分の赤ちゃんにとって適切なものを選ぶことはできないからです。
また、離乳食について考えるのは、日々の食事について考えることにつながりますね。
これを機会に、家庭での食事についてパパママ自身が見直してみるのも良いかもしれません。
食べることは生きていくことの根幹です。
そして離乳食はその基礎を築く大切な時期です。
心身ともに健やかに生活していくにはどんなものをどんな風に食べれば良いのか、愛情たっぷりの離乳食を通して教えてあげてください。
離乳食は大切な我が子への健康のプレゼント、食育の始まりになります。
毎日の積み重ねは容易なことではありませんが、気負わずに笑顔に溢れる健康的な食卓を目指していきたいですね。